さい帯血とは
赤ちゃんができたら・・ 知っておきたい「さい帯血」の可能性
「さい帯血」ってなんだろう?
医学用語で、へその緒のことを臍帯(さいたい)と呼びます。
臍帯血(さいたいけつ)とは、へその緒の中を流れる血液のことです。
血液のもと「造血幹細胞」
血液中には赤血球・白血球・血小板などの血液細胞がありますが、これらはすべて、造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)という特別な細胞からつくりだされたものです。
さい帯血には、血液のもとになる造血幹細胞が豊富に含まれています。
さい帯血移植
もしも、血液の病気になってしまったら・・
血液細胞がガン化して増殖し、正常な血液がつくれなくなるのが血液ガンです。
ガン化する細胞の種類により、「白血病」、「悪性リンパ腫」などに分けられ、毎年約2万人の方が亡くなるとされています。
白血病はガン化した白血球が増殖してしまう病気です。
さい帯血移植とは・・
病気によって正常な血液がつくれない場合、造血幹細胞移植という治療が行われます。
造血幹細胞移植は、病気になった血液細胞を抗ガン剤や放射線で破壊し、健康な造血幹細胞に置き換える治療法です。
造血幹細胞をどこからもらうかで、「骨髄(こつずい)移植」「さい帯血移植」「末梢血(まっしょうけつ)幹細胞移植」の3種類に分けられます。
さい帯血移植は、新しい治療法として近年急速に増加しています。
さい帯血移植のメリット
- へその緒から採取できるので、ドナーの身体に負担がない。
- 骨髄移植に比べ、白血球の型が完全に一致しなくても移植が可能。
- 造血管細胞が若く、増殖能力に優れている。
- 保存されているので、患者に合う血液が短期間で見つかりやすい。
さい帯血移植が有効とされる病気
- 白血病
- 悪性リンパ腫
- 再生不良性貧血
- 先天性免疫不全症
- 多発性骨髄腫
- 骨髄異形成症候群
- 先天性代謝異常 など
再生医療への期待
貴重な幹細胞
幹細胞(ステムセル)は、分化して新たな細胞をつくりだすことができる特別な細胞です。
血液をつくりだす幹細胞が「造血幹細胞」ですが、最新の研究で、さい帯血には造血幹細胞の他にも、貴重な幹細胞が含まれていることが明らかとなっています。
再生医療とは・・
再生医療は、失われた体の組織や臓器を細胞レベルから新たにつくりだして、病気やケガの回復をはかる最先端の医療です。
には、さまざまな可能性を秘めた幹細胞が含まれているため、さい帯血を再生医療に利用しようとする研究が世界中で進められています。
将来、再生医療での治療技術が確立すれば、現在の医学では完治が難しいとされる難病や生活習慣病を治療できる可能性が広がるため、大きな期待が寄せられています。
さい帯血を役立てるには?
捨ててしまうのはもったいない・・
もしも病気になってしまった時の備えとして、さい帯血を赤ちゃんのために長期冷凍保存できることをご存知ですか?
さい帯血は、現在、白血病・再生不良性貧血・悪性リンパ腫などの移植治療に広く役立てられています。
しかし、出産時に採取されないと、さい帯血は捨てられてしまいます。
どうやってとるの? チャンスは一度
赤ちゃんが無事に生まれた後、病院の医師または医療スタッフが、へその緒からさい帯血を採取します。
採取といっても、赤ちゃんが切り離されたへその緒から採血するだけです。
採血にかかる時間は5分ほど。
赤ちゃんにもお母さまにも痛みや危険は全くありません。
ただし、さい帯血が採取できるのは出産の時だけ。
さい帯血をとっておける大切なチャンスは一度です。
適合率100%
移植を行うためには、患者さんとドナー(提供者)の白血球の型(HLA)が適合しなくてはなりません。
白血球の型が一致しないと、体を守る免疫反応によって、ドナーの細胞が異物と判断され、拒絶反応が起こってしまうからです。
白血球の型は数万通りあるため、非血縁者間で一致する確率は数百~数万分の1といわれています。
しかし、両親から遺伝的に受けつぐ組み合わせのため、肉親である兄弟間なら4分の1という高い確率で一致します。
ご本人のさい帯血であれば適合率100%。拒絶反応の心配はありません。
公的バンクと民間バンク
さい帯血を捨てないで役立てる方法は2つです。
病気で苦しむ方に寄付したい場合、公的臍帯血バンクに寄付することができます。
献血と同様、一度寄付したものは、自分のために利用することはできなくなりますが、第三者の方の病気治療や研究に役立てられる可能性があります。
一方、あなたの赤ちゃんやご家族のために保存しておきたい場合、シービーシー(CBC)のような民間臍帯血バンクで保管しておくことができます。
さい帯血の個人保管
さい帯血が個人保管してあれば、拒絶反応の心配がない自分の造血幹細胞を利用したり、兄弟など、適合率が高いご家族に提供できる可能性から、移植治療を受ける機会が広がります。
また、将来、再生医療での治療技術が確立された場合、さい帯血に含まれる自分の細胞を利用して、
さまざまな病気治療を受けられる可能性にもつながります。
現在、民間臍帯血バンクは世界中にあり、アメリカのように個人保管が広く普及している国もあります。
日本でもさい帯血を保存するご家族が年々増えています。
さい帯血個人保管のメリット
- 自分のさい帯血は100%適合し、拒絶反応の心配がない。
- 兄弟など適合率が高い肉親の移植に、さい帯血を提供できる可能性がある。
- 将来再生医療が確立した場合、さい帯血の細胞を利用した治療が期待できる。
